フロンティア賞

2025.01.07

栃木県立矢板高等学校 農業経営科農業技術部

  • 令和6年度
  • フロンティア賞

地域と連携した家畜動物の避難システムの構築

狭い動物舎で効率よく短期間で飼養管理を行う日本の畜産現場は、そもそもが災害に弱い構造で、閉じ込められた環境でライフラインが止まるとそれは死を意味する。大災害の度に、伝統的且つ遺伝子的に貴重な命が失われることがないよう、家畜動物にも災害時避難システムが必要だと考えた。災害時に本校放牧場に避難誘導することで、断水・停電・飼料輸送など非常時の問題を一時的に解決できる。強固な囲いがあり、牧草や稲わらが常時備蓄され、豊かな沢水が注ぎこむ環境は、人の介入なしで草食動物が生存し続けれられる場所となる。単にアニマルウェルフェア的な取り組みではなく、避難をしない農家による二次被害を防ぐことにもなる。また、避難訓練などを重ねることによって「家畜動物だって避難するんだ。では、私たちは?」という新しい価値観を発信することで、地域全体の防災意識を高め、災害に負けない農山村社会の構築にも貢献していきたい。