審査にあたりましては、「地域性」や「独創性」、「自主性」、「継続性」といった4つの観点を選考基準に、選考委員会で審査し、決定しました。応募があった防災教育や防災活動の取り組みはどれも素晴らしいものばかりでしたが、これらの中で特に優れた57団体を表彰することとなりました。
「グランプリ」には、「高校生の部」の「和歌山県立熊野高等学校Kumanoサポーターズリーダー」です。この学校では、平成23年「紀伊半島大水害」で、当時3年生だった仲間が亡くなりました。この災害の教訓を生かそうと防災学習を始めて、地域との合同防災訓練、災害時要援護者との絆づくり、過疎化などの地域課題にも向き合うなど、多数の活動を継続しています。今回で10回目の応募となり、見事グランプリに輝きました。
ぼうさい大賞「小学生の部」は、宮城県「仙台市立七郷小学校」です。震災後、学校生活を取り戻し、児童を元気にさせる復興学習からスタートし、12年間掛けて、深化・改善させながら現在の防災教育カリキュラムができあがったそうです。学年ごとにテーマを決めた総合的・継続的な防災教育・活動を実施されています。今回2回目の応募でぼうさい大賞に選ばれました。
ぼうさい大賞「中学生の部」は、北海道「むかわ町立鵡川中学校」です。2019年に発生した北海道胆振東部地震の経験を踏まえ、防災集会、ハザードマップ学習、予告なし避難訓練などを行うとともに、子供たちが自分事として震災の記憶をつないでいく取組が評価されました。このぼうさい甲子園には、初めての応募で見事、ぼうさい大賞に選ばれました。
ぼうさい大賞「大学生の部」は、「龍谷大学政策学部 石原凌河研究室」です。この研究室は、南海トラフ地震などで大きな被害が懸念されている徳島県阿南市内の小学校を対象に、様々なテーマ・手法により、児童が興味を持つユーモアのある防災教育出前授業などを実施しています。昨年度のURレジリエンス賞受賞に引き続き、今回は「ぼうさい大賞」受賞となりました。
ぼうさい大賞「特別支援学校・団体の部」は、「兵庫県立和田山特別支援学校」です。地域に働きかける避難訓練への見直し、教科横断型の授業による防災教育の推進、保護者や地域と連携した防災体験プログラムなど、子どもたちが自らの命を守れるようにするだけでなく、子どもたちを支える大人や地域の学びや変容もねらい取り組みを進めていることが評価され、「ぼうさい大賞」受賞となりました。
このほか、厳しい環境の中で創意工夫をされた各校に、優秀賞や奨励賞を始め、URレジリエンス賞、はばタン賞、だいじょうぶ賞、フロンティア賞、継続こそ力賞、そして、しなやかwithコロナ賞の各特別賞を授与させていただきました。