阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター長 河田 惠昭

 第16回となる令和2年度の1.17防災未来賞「ぼうさい甲子園」ですが、このコロナ禍での状況にかかわらず、子どもたちや学生たちによる防災教育や防災活動が着実に取り組まれていることを喜ばしく思います。

 審査にあたりましては、「地域性」や「独創性」、「自主性」、「継続性」といった4つの観点を選考基準に、選考委員会で審査し、決定しました。応募があった防災教育や防災活動の取組、あるいは、今年度加えた新型コロナウイルス感染症対策に関わる工夫は、どれも素晴らしいものばかりでしたが、これらの中で特に優れた59団体を表彰することとなりました。

 「グランプリ」には、「特別支援学校・団体の部」の「宮城県立特別支援学校女川高等学園」が選ばれました。この学校は、コロナ禍でも感染症対策に工夫をしながら、生徒自らが企画運営する総合防災訓練を実施されるなど、全ての審査員から高い評価を受け、見事グランプリに輝きました。平成28年から毎年応募されるなど、着実に活動を実施され、「特別支援学校・団体の部」が昨年、設立されると同時に「奨励賞」を受賞され、そして今年度、部門の大賞とともにグランプリと大きくステップアップされました。おめでとうございます。

 ぼうさい大賞「小学生の部」は、広島県「坂町立(さかちょうりつ)小屋浦(こやうら)小学校」です。この地域は平成30年の西日本豪雨で甚大な被害を受け、児童達も避難生活など大変苦労されたとのことでしたが、それから2年たった今年度、児童の自主性のもと「キッズ防災士」をめざすという目標を掲げ、土砂災害の前兆を再現する「避難スイッチ」探しなどの防災に関わる総合学習に取り組まれ、初めての応募でぼうさい大賞に選ばれました。

 ぼうさい大賞「中学生の部」は、和歌山県「印南(いなみ)町立印南中学校」です。この中学校は、今年度は「避難所生活」をテーマに防災に関わる総合学習を実施し、コロナ禍においても防災キャンプを実施されるなどの取組が評価され、ぼうさい大賞に選ばれました。平成22年度の初応募で奨励賞に選ばれ、その後も今年度まで毎年応募され、そのほとんどの年度で受賞するなど素晴らしい取組を続けられ、遂に今年度、ぼうさい大賞へのステップアップをされました。

 ぼうさい大賞「高校生の部」は、東京都の「目黒星美(めぐろせいび)学園中学高等学校」です。中高一貫の強みを活かし、総合的に防災教育・防災活動に取り組まれ、有志による地域防災イベントへの参加や新型コロナウイルス感染症に関わる生徒主体のプロジェクトに取り組まれるなど、生徒の自主性が大いに感じられ、3年ぶり2回目の応募で見事「ぼうさい大賞」受賞となりました。

 ぼうさい大賞「大学生の部」は、「静岡大学教育学部 藤井基貴(ふじいもとき)研究室」です。教育学部の特性も活かし、静岡県内外の様々な学校と連携して、感染症と防災を融合した新たな教材の開発や肢体不自由な児童生徒らに向けた防災授業の開発などの防災教育に取り組み、3年ぶりの「ぼうさい大賞」受賞となりました。

 優秀賞や奨励賞の受賞校につきましては、このコロナ禍における工夫、地域との連携、あるいはマンネリ化を防ぎつつ継続した活動などが高く評価されています。

 「URレジリエンス賞」では、防災マップの作成やコロナ禍で「3密」を避けるように計画した避難訓練の実施など、縮災・減災につながる活動を高く評価されています。

 被災の経験と教訓をもとに生まれた活動に対してエールを贈る「はばタン賞」については、災害を受けた地域の経験を活かした活動に取り組んでいる学校等に授与しました。

 このほか、安全・安心なまちづくりを目指す取組を対象とした「だいじょうぶ賞」や、先導的な取組や初応募の優れた取組を対象とした「フロンティア賞」、過去数年にわたり継続的に優れた防災活動を対象とする「継続こそ力賞」、そして、新型コロナウイルス感染症対策や防災活動の中での感染症対策などの積極的な取組を対象とした「しなやかwithコロナ賞」と、多様な観点から特別賞を授与しました。

 このたび、優れた防災教育・防災活動を行われた受賞者の皆様をご紹介させていただきましたが、これらの学校や団体の取組を参考にしながら、今後とも、安全で安心な社会づくりに向けた更なる取組を継続されることを、主催者として期待しております。

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