生徒会執行部が中心となって3つの活動を続けてきた。 防災や被災地支援にかかわるオリジナルグッズをたくさん開発して販売し、支援金として被災地に送る。 防災エプロンシアターを自作してイベントなどで上演する。 体験型の防災ワークショップを開発しイベントで行う。 それぞれの活動に多様なグッズ、プログラムがあり、平日はその開発と製作に力を入れ、休日のイベントで販売、発表している。 ところが、新型コロナウイルス感染症の関係で活動の場となる各地のイベントが、ことごとく中止となっていった。それでもできることを模索し、マスクやフェイスシールドを作った。熊本の水害のニュースを見てフェイスシールドは避難所運営時に必要だと考え、近隣の学校に配布した。 今はイベントが再開されることを期待して、防災関連グッズの製作、エプロンシアターの新作づくりなどに力を注いでいる。
エプロンシアター
キャンドルライトづくりのワークショップ
キャンドルライトづくりのワークショップ
人と防災未来センターでソーラークッカーを使った実演
手作りフェイスシールド

神戸市立神港橘高等学校

防災関連イベントが全部中止に

神港橘高校は生徒会執行部が活動の中心だ。3年4人、2年6人、1年6人で活動している。

防災グッズや支援のためのオリジナルグッズの開発と販売、防災エプロンシアターや防災ワークショップの開催などの多彩な活動にとりくんでいる。平日に生徒会室に集まってグッズの製作やイベントの準備を行い、休日に各地のイベントに参加して販売や上演を行ってきた。ところが今年は、新型コロナウイルス感染症の対策のために、ほとんどのイベントがなくなってしまったのだ。

3月から始まった臨時休校中には14ものイベントが中止となった。登校して集まることもできなかったので、メンバーは自宅で何ができるかを考えたという。

その結果、ある生徒が新型コロナウイルス感染症対策のエプロンシアターの原案を作った。学校再開後に練習を重ねて何とか上演したいと頑張っている。エプロンシアターは「地震編」「水害編」「火山編」「熱中症編」「インフルエンザ編」「食中毒編」の6つあった。新たに「新型コロナウイルス感染症編」を9月末に完成させた。ただ、今は発表の場がなくなってしまっている。

フェイスシールドを製作、避難所に配布

休校中は教師側からもアプローチして、家でできるとりくみを行った。まずは、手作りマスク。材料と型紙を先生が配って生徒たちが自宅でとりくんだ。

マスクから発想が広がって、休校明けにはフェイスシールドの製作も始めた。帽子に装着するタイプとメガネに着けるタイプ。材料は試行錯誤しながらより良いものを探した。はじめはラミネートを使ったがどうも弱い。100円ショップでカードケースを買い込んで作ってみるとなかなかいい。休校明けには量産体制に入った。

学校周辺は25年前の阪神・淡路大震災では甚大な被害を受け、避難所は人であふれ返っていた。そんな事実を学んでいたこともあって自校の体育館の地下にある防災備蓄倉庫にストックしておくつもりでフェイスシールドを作っていた。

ところが、7月の豪雨災害のテレビニュースで熊本の避難所の様子を知り、すべての避難所備蓄しておかないとだめだと考えた。そこで、自分たちの学校だけではなく近隣の小中学校にも配布しようと考えた。配布用に50枚作って、地元兵庫区の13校の小中学校に3枚ずつ配った。近くの会下山小学校は手渡しし、あとは郵送した。

開催されたイベントは遠隔で

休校が解かれてもイベントの中止は続いた。8月、9月もなくなっていった。ただ、ほんの少しだが開催されるイベントもある。オンラインでの開催もある。

人と防災未来センターが夏休みに子どもたち向けに行っている「夏休み防災未来学校2020」もオンライン開催となった。ここでは定番のキャンドルづくりのワークショップができなくなり、以前開発したソーラークッカーを使った調理に挑戦してもらった。

支援募金は途切れさせたくない

イベントで販売したグッズの売り上げは9か所に2万円ずつ送っていた。東日本大震災の被災地にある6校、熊本市動植物園、台風被害を受けた千葉の高校、そして今年から始めた六甲山の森づくり活動である。六甲山の森づくりへの参加は去年決めていた。神戸市が行っているとりくみで、山を育てて街を守るというコンセプトだ。神港橘高校は、間伐材を使った商品を販売しているが、関連グッズはこんなところでも防災とつながっている。

今年はイベントでの売り上げが無くなったが、担当教諭の特別定額給付金10万円を活用して、9か所へ支援金を送ることができた。

やっぱり学校がいい

 取材時に生徒会室で作業をしていた生徒たちにも話を聞いた。

  • 3月の休校で学年末テストが半分ほど無くなって、最初はラッキーと思った。でも、3月後半には学校から課題がいっぱい送られてきて大変になった。このころから学校の心配をするようになった。
  • 4月になると不安になってきた。学校はいつから始まるのだろうという不安だ。早く学校が始まってほしいと願っていた。
  • 1年生は制服の採寸ができていなかったので、入学式は中学校の制服で出席した。教室に座って入学を許可する放送を聞いた。保護者は別室だった。式と言っても顔合わせのようなものだった。それからずっと休みで、新しいクラスメートのこと、勉強のことをずっと不安に思っていた。
  • 生徒会執行部の防災活動は面白い。だから生徒会執行部に所属した。物作りをやってきたよかったと思う。
  • 今は、学校行事があまりない。休校の影響で各種委員会の発足もく、8月22日にやっと発足した。5月開催予定の体育大会は無くなって12月にグリーンアリーナでスポーツ大会をする話があるらしい。文化祭は文化部の発表会に縮小されて11月にあるという。これから生徒会の仕事も増えてくるかな。普段は文化祭で防災関連の店を出していた。今年はどうなるのだろう。
  • 地域の方々とのワークショップを再開したい。近所の子どもたち、こども食堂とか。去年、西鈴蘭台のこども食堂でキャンドル作りのワークショップをした。夜にそのキャンドルを灯して食事したが、楽しかった。それが今年はできない。
  • この活動をしたいとずっと思ってきたのにできない。それが辛い。だからやりたい。

休校前後の動き

2月27日28日の2日だけ学年末試験。そこで打ち切り。
28日に生徒への説明をし、3月2日から休校。
3月 生徒への連絡は担任からの電話。
4月 宿題は郵送、ホームページへの掲載。教科の宿題だった。
5月22日から学年ごとに登校日を設定した。午前、午後に分けて密を避けた。
6月1日 学校再開。2週間は、午前午後に分けての分散登校だった。

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